退職して終わりではなく、きちんとした引継ぎを
退職する際には、理由に関わらず、円満に業務を引き継いで退職しましょう。これまでお世話になったお礼や、転職後も関わることがあるかもしれないという気持ちをもって退職手続きができるというのは、社会人として求められるマナーです。
では、退職時のマナーとはどのようなものでしょうか。詳細について記載をしましたので、ご覧ください。
円満退社の流れ
1.退職の意思を伝える
退職の意思は、まず所属部署の上司に伝えましょう。法律事務所であれば、弁護士や事務局長や人事担当の先生に申し出ます。理由はあくまで個人的なことにしましょう。上司の協力を得て、その後の仕事の引継ぎを行いましょう。
2.退職届の提出
退職届のあて先は事務所の代表弁護士ですが、実際に提出する相手は直属の上司にあたる方です。
3.引継ぎ
円満退社のためには、きちんと引継ぎを行わねばなりません。今までお世話になった取引先の担当者・担当事件の依頼者へも引継ぎの挨拶を忘れないようにしましょう。この時のコネクションが、次の職場でのキャリアへとつながる可能性もあるのです。
4.備品などの返却
名刺や健康保険証や制服・社章などを事務所に返却します。
5.必要書類の受け取り
源泉徴収票や離職票などを受け取ります。事務所によっては、後日郵送されてくる場合もありますので、事前に確認しましょう。
6.退職
退職する会社ではありますが、今まで仕事を学んで、スキルを身に付けた場所でもあります。今後のあなたのコネクションとして利用できるものがあるかもしれません。円満退社を心掛けましょう。
やってはいけない事項
1.退職届を人事部や代表にいきなり出すのはNG
所属部署の混乱を招く可能性があり、マナー違反となります。必ず直属の上司に告げて、了解を得た上で提出しましょう。
2.不満・愚痴を言っての退職はNG
退職理由は必ず聞かれます。会社や上司に不快な印象を与えないような内容を伝えましょう。仕事内容・待遇・社風などに不満があったとしても、家庭の事情など、その他の差し支えない理由に変えて伝えましょう。
3.メールでの退職届はNG
退職届は必ず手渡しで直属の上司に渡しましょう。メールで退職届を送信するのは引継ぎなどの話し合いもできず、失礼にあたります。
4.上司に話す前に同僚に話すのはNG
上司を差し置いて、同僚、後輩、取引先や依頼者などステークホルダーに対して退職意志を漏らすのはマナー違反です。退職を決めたら、まず直属の上司に伝えましょう。
5.いい加減な引継ぎはNG
同僚たちには新たな負担を強いることになります。円満退社をするためには、責任を持って、退職後の業務に支障が出ないように引継ぎを行う必要があります。十分な引継ぎ期間を設けるためにも、短くて2週間、長くて1・2ヶ月程度を目安に、早めに退職意志を伝えることが大切です。
退職トラブルが起きた時
近年の人手不足により、採用活動が難航する事務所が増えました。そういった背景などから、社内規定やルールに則った退職を申し出ても認められず、退職させてくれないというご相談をいただくことが増えました。
内容としては、
・退職の話し合いに応じない
・退職届を受け取らない
・後任が見つかるまで待ってほしいといわれたものの、採用活動をしている気配がまったくない
など、実に様々な内容のご相談があります。
辞めさせないようにしたいという事務所の対応が、トラブルとなっていることが多くあります。こうした場合、最低限のマナーは守りつつ、どのようにすれば退職できるかを考える必要があります。